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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
ようやく掴みかけたものを手放したくない。惚れた女が他の男の慰みものにされている姿など、死んでも見たくない。
けれどもその思いの中には、この禍々しい欲望にねぶられ無理矢理にその肉体を熟れさせられた巫女と、その姿に欲情し、もはや用済みになった自らの雄を勃たせながら無様な形で死を乞う自分の姿が在った。
まるでいつか、誰かが生々しく語ってくれたような──。
だからかその様はありありと思い浮かんで、現実に先んじて屈辱と羞恥と、自らに対する憤怒の念をもたらす。
それがかつて、もう一人の純な男が晒した姿だとは日嗣は知らない。しかしその心だけは、正しく理解してしまった。
──次に吼えたのは、日嗣だった。
そのあらゆる激情を声に換えて、弾かれたように空を蹴ると荒々しく剣を振るう。
もうあの時のような、槍の戒めは無い。一撃一撃に渾身の力を込め振り下ろすがしかし、剣はもう、鱗一枚かすめ取ることもしなかった。
何度も繰り返す必要すらない。日嗣も神依もすぐに、自分達はただ弄ばれていただけだったのではないかと思い至った。大蛇の首を落とす度、気付かない内に自分達の希望を道連れにされていた。
けれどもその思いの中には、この禍々しい欲望にねぶられ無理矢理にその肉体を熟れさせられた巫女と、その姿に欲情し、もはや用済みになった自らの雄を勃たせながら無様な形で死を乞う自分の姿が在った。
まるでいつか、誰かが生々しく語ってくれたような──。
だからかその様はありありと思い浮かんで、現実に先んじて屈辱と羞恥と、自らに対する憤怒の念をもたらす。
それがかつて、もう一人の純な男が晒した姿だとは日嗣は知らない。しかしその心だけは、正しく理解してしまった。
──次に吼えたのは、日嗣だった。
そのあらゆる激情を声に換えて、弾かれたように空を蹴ると荒々しく剣を振るう。
もうあの時のような、槍の戒めは無い。一撃一撃に渾身の力を込め振り下ろすがしかし、剣はもう、鱗一枚かすめ取ることもしなかった。
何度も繰り返す必要すらない。日嗣も神依もすぐに、自分達はただ弄ばれていただけだったのではないかと思い至った。大蛇の首を落とす度、気付かない内に自分達の希望を道連れにされていた。

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