この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
神依は両手に握らされた、黄金色の小さな塊に目を落とす。一瞬、今にも爆ぜて熱波が襲いくるのではないかと思った。けれどもそれは、日嗣の手を離れてもなお穏やかな色と温もりを放っている。
「お祖母様は許してくれた。だからもう、お前が憂えることは何もない。二人で淡島へ帰ろう。そうしたら──もう一度、お前に新しい名を付けさせてくれ。次こそは、数多の神が依るでもない──」
 ──ただ、日の妻(め)にだけ相応しい神名を。
「……あ……」
それをしかと告げる男の手が離れ、そこで初めて神依は日嗣の言葉の意味を理解する。
 みるみる丸く見開かれる目と、白く色を失っていた頬に差す染め入りの果実のごとき紅。そこに少女の淡い恋情を見た日嗣は今更どこか照れ臭そうに、それでも満ちた笑みを浮かべると踵を返し地を蹴った。
「日嗣様──」
男の決意を引き留めようとする間もない。剣(つるぎ)一本で立ち向かうには、あまりに強大過ぎる相手なのに。
 日嗣がいなくなった石舞台にはその根元まで泥の触手が迫り、神依は託された黄金色の塊を胸に抱いてじりじりと後ずさる。腰から下に上手く力が入らず、足を引きずって這うように動いた。
 逃げ出すことはできない。けれども確かに、泥の蟲もまたここに登れないようだった。
/1229ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ