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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
 途端に神依の中に意識が戻り、子龍が何の、誰のために戦っているのか分かって目に涙が浮かぶ。
 にも関わらず男神は、まるで塵を見るような目でそれを一瞥し、立ち上がって無言のままに踏みつけた。否、踏みつけているかどうかなど神依にはわからない。それほどまでに男神は蟲の形をした穢れと同化して、龍の子を自身の闇に喰らわせていた。
 かろうじてその闇の塊から逃れ、ばたばたと暴れていた尾が徐々にその動きを鈍らせる。それが何を意味するのか──神依は慌てて男の足元にすがり、手を伸ばした。
「やめて──その子は関係ない!! その子を──殺さないで……!!」
「殺す? ……お前は勘違いしている」
 いっときでも自分にすがりついてきた女に、男神は今までで一番満たされたような表情で神依を見下ろし言葉を続ける。
「私はただこれを正当に罰し、あるべき姿に還してやっただけだ──まだ分からぬのか。これはお前を仮世に引き留め、淡島の異物たらしめていた醜き人共と同じものだ。人界に在りながら人からも忘れられ、呪われた業に落ちて穢れた端神──。それが私に牙を剥き、我が妻にのうのうとまとわりつくとは。これにはその肉を蟲共に食まれ、暗き水底で骸となるのが似合いだ」
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