この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
音や風は、今度は耐えられないものではなかった。そして、
「……違わない」
「え?」
男が答えたのは、まさにその鉄の箱の龍が通り過ぎる間際のことだった。
「──違わないよ、神依。……お前は“みより”だ」
「……?」
あの金属の鼓動に紛れて、男の声が微かに届く。日嗣のものであって日嗣のものではないような、少しの差異を含んだ男の声。
その違和感に神依が眉根を寄せれば、反対に男は笑みを深めた。
「分からないのか……神依。淡島に生まれ出で、私によく似た我が血脈の嗣子(しし)に恋焦がれて、その末に日と火に焼かれ黄泉に誘(いざな)われたのが何故お前だったのか……それは我が妻イザナミがお前を選び、お前にその名を与えたからだ。もう一度私と妻が愛し合うために、妻にも私にもお前のその肉の器が必要だった」
「な……何を……」
「神依。お前は神が依る者。我が妻イザナミの依る巫女。お前は私が望んだ通り、死に至るまでの我が妻の全てをその器に収め、宿し、再び門をくぐりここへ来てくれた。神依……いや、お前はミ依だ──私のために廻り、生まれ変わって戻ってきた私の妻──」
「違……女神様は、そんなっ──!」
あまりに予想だにしなかった男の言葉に、神依は慌てて声を上げる。
「……違わない」
「え?」
男が答えたのは、まさにその鉄の箱の龍が通り過ぎる間際のことだった。
「──違わないよ、神依。……お前は“みより”だ」
「……?」
あの金属の鼓動に紛れて、男の声が微かに届く。日嗣のものであって日嗣のものではないような、少しの差異を含んだ男の声。
その違和感に神依が眉根を寄せれば、反対に男は笑みを深めた。
「分からないのか……神依。淡島に生まれ出で、私によく似た我が血脈の嗣子(しし)に恋焦がれて、その末に日と火に焼かれ黄泉に誘(いざな)われたのが何故お前だったのか……それは我が妻イザナミがお前を選び、お前にその名を与えたからだ。もう一度私と妻が愛し合うために、妻にも私にもお前のその肉の器が必要だった」
「な……何を……」
「神依。お前は神が依る者。我が妻イザナミの依る巫女。お前は私が望んだ通り、死に至るまでの我が妻の全てをその器に収め、宿し、再び門をくぐりここへ来てくれた。神依……いや、お前はミ依だ──私のために廻り、生まれ変わって戻ってきた私の妻──」
「違……女神様は、そんなっ──!」
あまりに予想だにしなかった男の言葉に、神依は慌てて声を上げる。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


