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《愛撫の先に…②》
第8章 わだかまり…
『なんで翔子さんなのっ?打ち合わせでもしてなきゃ治療後ぴったりに来ないでしょ…あたしあの時もの凄く心配して…いつも堂々としている結城さんが浮かない顔で何かあるんじゃないかと……だからあたしには言えないで翔子さんには歯医者が憂うつだって言ったんだって、だから迎えにきたんだ、頭を撫でているんだって思うじゃない』
太ももに手をあてうつむき泣いていた。

『観ていたのか…28の男が歯医者が嫌いだとカッコ悪くて言えませんよ』
キーン、ガリガリという音を思いだしたのかブルッと震える。

『結城さんは怖いものもなく完璧だと思ってた、あたしあなたが歯医者嫌いでも笑わなかったと思う、なんで打ち明けるのがあたしでなく翔子さんなの?あたしだって頭撫でてあげたかったっ……いい役回りは翔子さん…あたしってなんなの?』
ティッシュをとり涙を拭う。

『完璧な人等いません、完璧とはどんなに努力し克服してきたかによるものだと思いませんか?…歯医者はどうしようもありませんけど…あれは約束でもなく翔子は偶然通りかかっただけだと言っていた、打ち合わせでもなく』
思い出すように遠い目をしていた。

『翔子さんは結城さんが歯医者嫌いだと知っていた事…将也さんと結婚しているのに嫌な感じ…』
嫌な言葉を言ってる、らしくないあたし。

『将也も知っています、中谷さんも…俺達はいつも中谷さんの家に遊びに行って歯医者だって嫌な顔をした事もあるかもしれない…悪く悪く考えないでほしい…』
ため息をつく。

『だから、だからこそ結城さんは翔子さんを特別に考えてるんじゃない…』

『君らしくないひつこさだな…本当に…』
またため息。

『結城さんが翔子さんに…特別な気持ちを持っているからそんな風になるんだわ…』

『らしくない、君らしくないね…将也の妻だから笑うに決まっているだろうっ…まだ同じ質問をむし返すのか…』
彼はチラリと時計を見てため息。

『あたしが悪いと決めつけるの?』
らしくないあたし。

『人は誰だって思い出す人がいます、俺はそれが将也だったり翔子だったり…それが笑顔の答えだと思いますがね』
彼は彼女の方を向いた。

納得いくようないかないような…
悔しい……

『言いくるめられたとしか言えない…』
彼女は左を向く、右に座る結城をみないように。

『仕事を任せ迎えに行った俺、だけでは信じてもらえませんか?』
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