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こじらせてません
第2章 馴致

とにかく、物質感で物申す限りは、大きいとか小さいとかいう概念は、相対性において成立することを肝に銘じなければならない。
暗黙的に比較対象の存在を知らしめることが、女性を前にして局部を晒した男性にとって、喜ばしいわけがない。
もし、アキラが「僕の、どう?」と聞いてきたら、正確性を期するならば、個別具体的な誰かを示唆しないよう注意を払い、平均サイズに対してどうなのか、偏差値あたりで答えてやるのがベストなのだが、これも調べたとおり、その平均サイズ自体に、まだ正確性が担保されていない。
したがってミサは、「存在感、抜群だね」とか、より定性的に、かつ感覚的に答えてやるつもりだった。
ともあれ、こんな物質感抜群のマネキンでディスプレイしては、男性の即物的劣等感を煽るだけで、販売促進には繋がらないのではないかしらと、他人事ながら心配になった。
「プレゼントをお探しですか?」
マネキンの股間を見つめていたミサへ、店員がスマートに声をかけた。
神威が猛ったとき、存在感は隠しようもないのだが、物質感において、このビキニは充分な神殿の広さを有しているかが気になるところだった。
要は、はみ出してしまわないか、だ。
神威の威厳がより輝くのは、全貌が隠されているからこそ。
だが、はみ出してしまう不恰好さ以前に、頭の中にアキラの姿を思い浮かべてみると、やはり紫の光沢は、彼には下品すぎるのではないかと思われた。
「なんかちょっと、本人の好みと違うかもしれないので、また、来ますね」ミサは上品ぶった微笑みを浮かべ、「こんどは、彼氏連れて」
店を出た。
よろしくおねがいします。背中から店員のスマートな見送りの声が聞こえた。
(う……)
頭の中で思い浮かべるシーンを間違えた。
ソファの上で、膝をついて覆いかぶさってきた姿を思い出してしまった。すぐ前で、自分を向いて、猛々しく聳立していた神威も。
指で作った輪で首を握り、ピストンに抑揚をつけ、いっぱい出していい、と言ったら――本当にいっぱい出た。
暗黙的に比較対象の存在を知らしめることが、女性を前にして局部を晒した男性にとって、喜ばしいわけがない。
もし、アキラが「僕の、どう?」と聞いてきたら、正確性を期するならば、個別具体的な誰かを示唆しないよう注意を払い、平均サイズに対してどうなのか、偏差値あたりで答えてやるのがベストなのだが、これも調べたとおり、その平均サイズ自体に、まだ正確性が担保されていない。
したがってミサは、「存在感、抜群だね」とか、より定性的に、かつ感覚的に答えてやるつもりだった。
ともあれ、こんな物質感抜群のマネキンでディスプレイしては、男性の即物的劣等感を煽るだけで、販売促進には繋がらないのではないかしらと、他人事ながら心配になった。
「プレゼントをお探しですか?」
マネキンの股間を見つめていたミサへ、店員がスマートに声をかけた。
神威が猛ったとき、存在感は隠しようもないのだが、物質感において、このビキニは充分な神殿の広さを有しているかが気になるところだった。
要は、はみ出してしまわないか、だ。
神威の威厳がより輝くのは、全貌が隠されているからこそ。
だが、はみ出してしまう不恰好さ以前に、頭の中にアキラの姿を思い浮かべてみると、やはり紫の光沢は、彼には下品すぎるのではないかと思われた。
「なんかちょっと、本人の好みと違うかもしれないので、また、来ますね」ミサは上品ぶった微笑みを浮かべ、「こんどは、彼氏連れて」
店を出た。
よろしくおねがいします。背中から店員のスマートな見送りの声が聞こえた。
(う……)
頭の中で思い浮かべるシーンを間違えた。
ソファの上で、膝をついて覆いかぶさってきた姿を思い出してしまった。すぐ前で、自分を向いて、猛々しく聳立していた神威も。
指で作った輪で首を握り、ピストンに抑揚をつけ、いっぱい出していい、と言ったら――本当にいっぱい出た。

