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こじらせてません
第2章 馴致


ふと、有名ブランドの路面店のマネキンが目に入った。

(……あ、いいかも)

三日前に行ったばかりの店で、色違いの首輪を買おうと思ったのだが、それでは芸がないな、と思い直してやめておいた。

仲直りのしるしとして、「他の愛玩動物・同用品」を与えようと思い、銀座にやってきていた。

仲直りというものは、仲違いが行われた後に、行われるものである。そして仲違いは、相互の敵意をもって初めて成立するものである。

勇者ではなかったミサは、渋谷にてアキラの前に飛び出さなかったのだから、彼は状況を把握していなかった。

したがって、これは一方的な謝意である。
そんなことは、ミサにもわかっていた。

だが、店員に「何をお探しですか」と訊かれたとき、「彼へのお詫びのしるしです」と言うよりも、「彼との仲直りのしるしです」と言ったほうが、良好なサービスを受けることができると考えられた。

だからミサは勝手に、今回の贈答を、そう位置付けることにしていた。

アキラからの見返りは、何一つ期待していない。ペットにそんなことを期待する飼い主などいない。

(はで……)

平棚に囲まれるようにして、中央に、胸板から下だけ、太ももから上だけのマネキンが立っていた。

シックスパックが美しい。
光沢がかった濃紫のビキニブリーフを履いていた。

アキラはこんなにマッチョではない。

だが、毎度目にする神威は、ボクサーブリーフの中で、いつも硬く畝を作っており、このマネキンよりも巨躯を有していると思えた。そしていざ降臨すると、線の細い体躯との対比で、より猛々しさが強調されるのだった。

……それにしても、このマネキンも、ずいぶんな物質感で象られたものだ。
目測だが、かつて調べた平均サイズを大きく上回っている。

男性は、サイズを非常に気にするらしい。
「わあ大きい」とか、「わあ小さい」とか、特に女性が、うっかり大小を云々してはいけないとか。

ミサ自身も、スケールを指す形容詞に関しては敏感であったから、気持ちはわかるつもりだ。

だから、初めて生で男性器にまみえたとき、第一印象を決して口にしないように努めたのだった。
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