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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon

――まあ、俺は初めてじゃねぇしな。初めて見る顔もあったけど、ババアじゃなかっただけ、まだよかったが。
専務と美幸夫人が関係あったことは、既に沙紀さんは聞いていたのだろう。あたしは、当主の元で泣いて叫ぶ彼を思い出す。
彼は、どんなに辛い思いをこの本家でしてきたのだろうか。
朱羽をそんな本家から守るために、専務は嫌な思い出しかない……肉食獣の使用人が居るとわかっている場所に、戻ったんだ。
兄の心意気に感動しているあたしの前で、朱羽がぼそっと言った。
――まあ……あのひとにも、なにされても一切反応しなかったし。
……どこの反応だよ!
美幸夫人とそれ以外と、なにがあったんだよ!!
――落ち着けカバ! 朱羽も未遂だ。
あたしと沙紀さんはいきり立つ。
――どこまでさせたのよ!!
兄弟達は、あたし達の剣幕にたじろいだ。
まあそんなこんなで、持ってきてくれた白いレースのパニエを履いてメイド服を着ると、上半身はクラシカルなのに、下半身がなんだか卑猥なコスプレのようだ。
半袖だけれど、屋敷には暖房がかかっているから気にならない。
「いいなあ、陽菜ちゃん胸が大きくて」
白いふりふりエプロンが丁度胸の位置から始まり、よくあるエロ漫画のように、あたしが着ているエプロンもいやらしい役目をしているかのようだ。
清楚なはずのエプロンをしていることでえっちだ。かといってこのエプロンを外したらメイドではないし、なんとも難しいところ。
「いいなあ……」
沙紀さんが、ふにふにとあたしの胸を揉んだ。
「あ……ん」
朱羽に愛されたばかりの身体が反応してしまい、
「陽菜ちゃん可愛い。もっと触ってもいい?」
慌てた朱羽があたしを後ろから羽交い締めにするようにして、沙紀さんから離し、そして専務も沙紀さんに抱きつくようにして視界を奪う。
「「浮気するな!!」」
……この兄弟、面倒くさいかも。

