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蕩けるようなキスをして
第47章 彼氏彼女
「華夜の彼氏だって。華夜が認めてくれたんだって。初めて口にしてくれて。しかも他人を前にして。…もうほんと、ガキでも、かっこ悪くてもいい」
-マジ、嬉し過ぎる。
陸の囁きが、華夜子の耳へ染み渡った。
「いきなりこんな嬉しい事ばっかでいいのかな。またどうかなったりしそうで怖い」
確かめるような陸の呟きを、華夜子は黙ったまま聞く。
「どうかなったりなんてしないよな。…余計な事をつい、考えてしまう」
嬉しいなら嬉しい、ただそれだけを留めておけばいいのに。
ただ嬉しがっていればいのに。
胸の奥底に燻(くすぶ)るものはなんなのだろう。
胸の奥底に眠っているかのような、言い知れぬこの不安はなんなんだろう。
昨日と今日は、全然違う。
昨日今日で、全然違うようになった。
彼女のものとしての、自分。
自分のものとしての、彼女。
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