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蕩けるようなキスをして
第47章 彼氏彼女
その代わりのように。
陸はテーブルの下で華夜子の左手を取り、強く握り締めた。
「…これぐらいは、いいだろ。多分、誰からも見えてないと思うし」
華夜子はそれに応えるように、陸に指を絡める。
周りの人間にそれと分からぬ程度に身体を寄せてくる華夜子に、陸もまた僅かに近付き、肩をつけた。
身近に彼女の香りを感じながら、陸は開口した。
「…そうなるのは、もっと、ずっと、先だと思ってた。だから、心の準備が出来てなかった」
「…」
「昨日あんなに嬉しかったのに。まだ全然慣れてないのもあって、頭ではすぐに理解出来なくて。だから初め、華夜が誰の事を言ってるのか、ほんとに分からなかった」
「…」
「誰だ?…ああ、俺の事なのかって、遅れてやっと気が付いた」
陸の口角が喜びに上がる。
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