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蕩けるようなキスをして
第47章 彼氏彼女
学生達でざわめく、広いカフェテリアの中。
ふたりの間には、真逆の沈黙が訪れる。
どうしていたら良いか途方に暮れ、華夜子がそろそろ困り始めた頃。
-嬉し過ぎて、どういう態度をとったらいいのか分からない。
不意に声を掛けられ。
華夜子は陸を見た。
「心の中では、すげー嬉しくて堪らない。でも。そんなことぐらいでいちいち喜んで、ガキみてーだなって、思われたくもない。だからとりあえず、なんでもない振りをして、聞き流してはみたけれど。やっぱり嬉しいものは嬉しくて、この気持ちを伝えたくなる。けど、少しでもかっこつけていたいのに、そんな事言ったら、今までの努力が水の泡かなとも思ったり-」
なんとも言えない複雑な笑みを、陸は華夜子に向けた。
「でも。実際まだまだ子供だし。ガキみてーなとこも、今まで散々見られてきたし。今更かっこつけたところで、無駄な努力なのも、自分が一番良く分かってる。だから、言うけれど-」
様々な感情が入り混じったそれから、余計なものを削ぎ落とした表情となり、陸は華夜子に告げる。
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