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蕩けるようなキスをして
第47章 彼氏彼女
華夜子は呆気にとられつつ、麻衣達の後ろ姿を見送り、肩で息を吐(つ)く。
「なんだったの、一体…あ、ごめん」
台詞の後半は、隣りに腰を下ろす陸へ向けて言った。
「なんか騒がしくってごめんね…?」
恐る恐る、華夜子は陸を見る。
対する陸は、ようやく夢から覚めたかのように、数回瞬(しばた)き、小さく首を振る。
「…あ、いや」
「…大丈夫?」
先程までとは反対に。
今度は華夜子が彼を気掛かりに思い、覗き込む番だった。
陸は困ったように微かに笑い、頷く。
そして。
ガラス窓の向こう側へ、なるべく自然な感じを装い、目線をやった。
そんな陸に、華夜子は何かを言い掛けたが、これ以上は何も語らなそうな彼に、結局自分も口を閉ざすしかなかった。
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