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蕩けるようなキスをして
第47章 彼氏彼女
「彼氏からの、プレゼントなの-」
囁く桜色の口唇に、陸はあっと言う間に、心奪われた。
言葉もなく、驚きに僅かに開(ひら)いてしまった口のまま、陸は彼女の横顔を見続けるしかない。
恥じ入る華夜子の肩を力を籠めて叩き、麻衣は苦笑いして言った。
「十分、いちゃついてるじゃないの」
「痛。…や、別に、そういうんじゃなくて-」
-ただ事実を伝えただけ。
言い返そうとしたのだが、麻衣はそれを一蹴する。
「はいはい。ごちそうさま」
「だから、そーいうんじゃなくって…!」
なんとか分かってもらおうとするのだが、麻衣は早くもこの場から立ち去ろうと、隣りの友達の手を引いていた。
「のろけ話は聞きたくないから、もー行くね。今度、連絡する!」
まるで聞く耳持たず。
言いたい事だけを告げ、大きく手を振り、麻衣は笑顔で去って行った。
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