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第47章 彼氏彼女

もう、例えようがないくらいに、胸に迫ってくるものがある。
昨日の事は夢じゃなかったと。
昨日の事は確かな現実だったと。
自分だけじゃなかったと。
自分だけが嬉しかったんじゃなかったと。
そう、思っていいのだと、胸が震える。
昨日の今日で、どうしようかと。
どんな顔で、今日彼女と逢おうかと。
こんな風に思っているのは自分だけかな－自嘲していたのに。
そう、思っていたのは、自分だけじゃなかった。
嬉しかったのも。
恥ずかしかったのも。
みんな、ふたりとも同じだった－…。
好きな彼女の前では背伸びをしてでも、いつでもかっこいい男でいたい。
努めて冷静を装い、なんでもない振りをしていたけれど。
現金だから、すぐさまそんな演技なんて、止めたくなってしまう。