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蕩けるようなキスをして
第46章 蕩けるキス
いつもは綺麗に整っている栗色の髪が、今は彼に翻弄された直後の為に乱れ、頬に張り付いていた。
そんな華夜子の髪を手櫛で直してやり、陸は彼女に軽く口付けた。
伏せていた睫を再び開(ひら)いた時、先程までのふざけた様子は陸から綺麗さっぱり、消えていた。
華夜子は、目の前で微笑む彼に理解に苦しみ、ひたすらじっと、見るしかなかった。
有無を言わさず身体を押し倒し、激しく求めてきたかと思えば。
深みに嵌るその直前。
その行為を中断した。
自分で脱がせようとしていた服なのに、今度は逆に優しく整えてくれた。
そして、甘く溶けそうな、キス。
少なくとも今日はこれ以上、自分をどうかしようと思っているそれではなかった。
ふたりの彼に弄ばれる。
嫌だ。
もう、いい加減にして-思うのに。
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