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第46章 蕩けるキス

奪われた唇。
絡め取られた舌。
身体の一部だけでなく、意識も、心も、無論この身も、全てが彼のもの。
繋がったそこから、彼に溶かされる。
絡み合う舌先から、彼に蕩かされる。
互いの混じり合う唾液のように。
口付けひとつで、彼と私は交わり、ひとつになる－…。
一向に自由にさせてもらえない唇。
時折ほんの僅か出来る隙間から、華夜子はどうにか息を継ぐが、すぐに激しく求められ、再び酸欠状態に陥る。
「はあ…っ…やっ、くるし…」
唇と唇が離れた隙に、途切れ途切れに訴えるが、陸はそれを許さない。
懇願する度により強く吸われ、より興奮を促すかのような舌の動きで、口内を辱しめられる。
「りくっ…りく…っ」
もう彼の名を繰り返すだけで、精一杯だった。