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蕩けるようなキスをして
第46章 蕩けるキス
やがて、次第に。
頭に靄(もや)がかかり、朦朧としてくる。
それは、明らかに足りない酸素のせい?
それとも。
荒々しく蹂躙されているのに、身体の疼きを感じ始めてるから?
両方-そして、後者の比重が明らかに大きい…。
彼にしがみ付く腕は、手は、指先は、次第に力が入らなくなってくる。
縋るものが欲しいのに、縋り付く力も、もう残っていない。
「りく…も、だめ…っ」
華夜子は、泣きそうになりながら、切願する。
息も絶え絶えに呟けば、ようやく一瞬、彼の動きが止まる。
僅かに離れる、ふたりの、唇。
「これくらいで音を上げるなよ。まだまだこれからだろ」
意地悪く、嗤われる。
けれど。
そういう陸の呼吸もまた、彼女と同じように大きく乱れていた。
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