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蕩けるようなキスをして
第46章 蕩けるキス
雫が、零れた。
ひと粒、ふた粒。
頬を伝わず、正座していた膝の上-ブラウンのフレアスカートに落ちてゆく。
無地だったはずなのに、見る間に黒い小さな水玉が-それはやがて、どんどん大きさを広げてゆく。
最初は、気付かなかった。
声もなく、ひとり堪えていた彼女に。
とうとう耐え切れない嗚咽がほんの僅か、食いしばった歯の隙間から、漏れた。
陸は、左隣の華夜子をようやく見る。
俯き、顔を顰(しか)めながら泣いてる姿に、激しく動揺してしまう。
今の今まで、辛かった気持ちなど、綺麗さっぱり消え失せる。
「華夜…?」
その両腕に手をかけようとして-拒絶された。
大きく身を捩り、振り払われ、完全に背を向けられてしまう。
呆然とする陸をよそに、華夜子の細い肩は小刻みに揺れている。
ひと粒、ふた粒。
頬を伝わず、正座していた膝の上-ブラウンのフレアスカートに落ちてゆく。
無地だったはずなのに、見る間に黒い小さな水玉が-それはやがて、どんどん大きさを広げてゆく。
最初は、気付かなかった。
声もなく、ひとり堪えていた彼女に。
とうとう耐え切れない嗚咽がほんの僅か、食いしばった歯の隙間から、漏れた。
陸は、左隣の華夜子をようやく見る。
俯き、顔を顰(しか)めながら泣いてる姿に、激しく動揺してしまう。
今の今まで、辛かった気持ちなど、綺麗さっぱり消え失せる。
「華夜…?」
その両腕に手をかけようとして-拒絶された。
大きく身を捩り、振り払われ、完全に背を向けられてしまう。
呆然とする陸をよそに、華夜子の細い肩は小刻みに揺れている。

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