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蕩けるようなキスをして
第45章 夢の翌日
途端。
羞恥の嵐が押し寄せてきて、またしても彼を正面からなんて見ていられなくなる。
華夜子はすぐに、地面に目線を落としてしまう。
そんな華夜子の姿に、陸は微かに眉を顰め-しかし、努めて明るく、彼女を促す。
「行こ、華夜?勿論、何かしたくて誘ってるんじゃない。何もしない。ただ、本当に話をしたいだけだ。…だって流石に、気になるだろ。あんな事、されて。気になるなって方が、無理だろ。それは、答えてよ、華夜-」
ほんの僅かの力を加え、手を引けば、華夜子は大人しく、陸の隣りを歩き出す。
陸は内心、ほっとする。
ここでもし、彼女があくまでも嫌だと言い張った際の対処法は-思い付いてなんかいなかったから。
一日徹底的に避けられ、尚且つ、行きたくないなんて言い出されたら-もう、話を訊くまでもないではないか。
昨日頂点まで持ち上げられ、天にも昇る気持ちになり。
今日は全ての連絡手段すら絶たれ、底辺を彷徨うような気持ちを味わった。
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