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蕩けるようなキスをして
第45章 夢の翌日
「今日の事も訊きたいけど。…でも、俺は、昨日の事が一番知りたい」
陸の言葉に、面を上げられぬままの華夜子の瞳孔が、僅かに開(ひら)く。
「昨夜、華夜を家まで送り届けた後(あと)から、気になって仕方がなかった。余程、すぐにラインして尋ねようかとも思ったけど。やっぱりちゃんと直接会って話したいと思って、今日まで我慢してた。朝一で訊こうと思ってたのに、華夜には何故か避けられっ放しで、とうとうこんな時間になってしまったけれど-」
陸は一呼吸置き、続けた。
「昨日は、一睡も出来なかった。馬鹿みたいに一晩中、どきどきしてた。…華夜との、初めてだったから。華夜がどういうつもりでいきなりしてきたのかは、分からないけれど-」
-素直に、俺は、嬉しかった。
陸の囁きにようやく、華夜子は顔を上げた。
「華夜とのキス、俺はすげー嬉しかったよ」
目が合うと、照れ臭そうに微笑まれ。
その笑みに、華夜子の胸に刺さったままだった棘は、瞬時に溶けてなくなった。
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