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蕩けるようなキスをして
第43章 訊きたいこと
でも。
ふたりきりでこうしているのは、あの日以来。
ふたりだけになれたのは、あの日以来。
訊くなら、今だと。
今しかないと。
こちらを向いた華夜子に言葉を発しようとし、背中をもの凄い力で叩かれた。
この最悪なタイミングで誰だ-勢い付けて、陸は振り返る。
「お待たせ、櫻葉陸」
講義が終了するのを、みんなして待ってた張本人が、満面の笑みで、佇んでいた。
「授業終わって図書館に行こうとしたら、ちょうど彼氏から着信があってさ。ついつい話し込んでたら、遅くなっちゃった。ごめんね、華夜子も?」
背後に留以と並んで立っていた乃愛が、小首を傾げ、悪びれる様子もなく、笑って言った。
おせーよ-怒鳴ろうとし。
しかし、この状況では、寧ろもっと遅く来て欲しかった陸は、複雑な心境で深い溜め息を吐くしかなかった。
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