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第43章 訊きたいこと

しかし。
さっきまであんなに夢中になって追っていた活字も、今となってはさっぱり頭に入ってこない。
そんなふたりの様子を見兼ねた留以は、口を開（ひら）いた。
「私、ここで乃愛を待ってるからさ。先にふたりで駅まで行っててよ。すぐ追い付くから」
こんな状態なのに、わざわざふたりにさせる留以の意図が、陸も華夜子も分からなかった。
けれど。
彼女にしては珍しく。
留以は、有無を言わせぬそれで、ふたりに向かって告げる。
「ふたりで。行ってて。ここでまた大声出されたら、一緒にいる私が恥ずかしくなる」
そこまで言われたら、流石に席を立たない訳にもいかず。
そこに存在するだけで目立ちまくりの彼。
その彼と同席しているだけで、通る学生達に無条件に、眺められてゆくのに。
言い争いなんかされて、更なる注目を浴びつつある今。
確かに恥ずかしくもなってしまうだろう。