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蕩けるようなキスをして
第42章 もう一秒
この間は散々、へこんだ。
もしも次にまた拒否されたら、真面目にもう後はない-覚悟していた。
だから。
もしも次にまた彼女にどうしても口付けたくなっても、ぎりぎりまで我慢しようと。
きちんと彼女を待って。
彼女が受け入れてくれるのが確実となる、その時まで。
その時がくるまで、もう、彼女を求めないと。
思ってた。
言ったろ?-彼女の唇にあと僅かの場所から、陸は囁いた。
「一秒後には、って-」
「…っ」
早鐘のような胸。
こんなにも彼の吐息を感じて。
こんなにも彼を感じて。
華夜子はひとことすら、言葉を発する事が出来ない。
息すら、出来ない。
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