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蕩けるようなキスをして
第42章 もう一秒
もう十分なのに。
それなのに、まだ、あるの?

『華夜のこの指に嵌める指輪を、次に贈るのは俺だよ?』
『俺がもうとっくに予約済みなんだから、他の奴からは絶対、貰うなよ』

「いつかあげれたらいいなって、ずっと、思ってる-」
言われ。
彼の首へやったままだった華夜子の腕に、自然と力が入る。
『何を』とは彼は口にしないけれど。
『何を』彼が指しているのかは明白だった。
「華夜に、あげたい」
囁きがすぐ側で聞こえ。
華夜子は思わず、陸を見た。
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