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第42章 もう一秒

確かに、そう。
特に、ひとり暮らしの、男性の部屋だ。
ここにいる事が、もう既に、彼に踏み込んでる事になるのだけれど。
彼を信用してない訳ではない－色々あった事はあったけれど。
彼を好きだ－だから、例え、何かあっても構わない。
そうも思う－でも、きっと、それはもう少し先だ。
だから尚、今、そこには座れない。
それに－…。
華夜子は控え目に、ベッドを見遣る。
このベッドの上で、彼は、誰かと－…そう考えると、哀しくなる。
一旦は、赦したはずなのに。
でも。
でも。
そんな場所には踏み入れたくない－どうしても、思ってしまう。
何れそんな事、考える余裕もなく、彼に翻弄される場所でもあるかもしれないけれど。