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蕩けるようなキスをして
第42章 もう一秒
たかが-彼には思われているかもしれないけれど。
少なくとも、自分にとっては、重要な事だった。
なんて言ったら良いか分からず、途方に暮れていると、
「…初めてなんだよな」
陸の呟きが、聞こえた。
華夜子は急いで、彼を見る。
「この部屋に女、入れたの」
「…え?」
「男友達はしょっちゅう来させるし、勝手に上がり込まれたりもしてるけど。けど女は、友達だとしても、部屋に入れた事はない」
-華夜が、最初だよ。
言って陸は、ちょっと恥ずかしがっているようにも見える顔で、ベッドの上で軽く笑ってみせた。
まるで心の中を見透かされたかのような、タイミング。
華夜子は恥ずかしくなる。
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