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第42章 もう一秒

どんな事を言われるのかと。
どんな不都合な事を、言われるのかと。
身構えた矢先の、それ。
拍子抜けして。
安堵して。
脱力して。
気が抜けて。
とにかく－嬉しくて。
身体中の血液が沸騰するんじゃないかと思う程の、喜び。
真っ白になってしまった頭の中では、思考がまとまらない。
「…どきどきするって、なんでだよ、それ」
陸は掠れた声で、分かり切っている事を、追及してしまう。
「そんなの…っ」
－そんなの、言わせないで。
テーブルの上には、片付けるものは、もう何もなかった。
恥ずかしさを隠してくれるものは、もう、何も。