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蕩けるようなキスをして
第42章 もう一秒
あくまでなんでもないと言い張る華夜子に、陸は遂に我慢がならず、勢いよくベッドの上に半身を起こした。
「なんでもない風じゃねーんだけど」
「…」
「何?」
言いたい事があるなら、はっきり言えよ-陸が言い捨てるのに、華夜子の消え入りそうな声が重なる。
「…だって陸が見るからっ」
「は?」
「私を…見詰めてくるから。だから…っ」
言ってる側から、鼓動が速まってゆく。
「どきどきが止まらなくなるから、止めて。私を見るの、止めて」
言ってる側から、頬が熱くなってゆく。
「…んだよ、それ」
真っ赤な顔を、いつまで経っても自分に向けてくれない、彼女。
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