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蕩けるようなキスをして
第39章 一日千秋
抱き締めて欲しいだなんて、言えない。
抱き締めて欲しいだけなんて、言えない。
絶対、言えない-…。
だから。
自分から、抱き付くしかなかった。
もしかしたら、抱き留めてはくれないかも、だったけど。
「優しいね、陸-」
漏れる、呟き。
受け入れてくれた。
昨日までと、まるっきり同じ心境ではないだろうに。
でも。
昨日までと、まるっきり同じ優しい腕で。
私を、抱いてくれた-…。
華夜子の賛辞に。
陸は嗤う。
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