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第39章 一日千秋

何かをしそうになるくらいなら、彼女が自分を全て受け入れてくれるまで、いっそ触れないでいようか－そうも思ってた。
でも。
実際は。
そんな事なんて、無理で。
絶対、不可能で。
抱き付かれれば、忽（たちま）ち心臓は鷲掴みにされ。
拒むどころか、寧ろ自分から積極的に、その手を伸ばす。
堪え性のない男－我ながら嫌にもなるが。
好きな女を目の前に、やっぱり何もしないなんて、少なくとも自分には限りなく難しかった。
陸－名前を、呼ばれた。
「…何？」
柔らかく、温かで、香しい。
華夜子の身体を触覚、嗅覚で確かめつつ、恍惚としながら、陸は彼女を促す。