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蕩けるようなキスをして
第39章 一日千秋
言い終わらぬ間に、華夜子は後を続けてくる。
「言わない方が良かったかな。…別に、聞きたくもなかったよね、あんな話」
-あんな、話。
話してしまった、自分を悔やむように。
華夜子は俯き、唇を噛み締める。
そんな事はない-すぐに言ってやりたかったけれど。
でも。
じゃあ。
聞きたかったのかと問われれば正直、そうでもなかった、事実。
またしても、何を言ったらいいのか、返答に困る。
ふたりを隔てる、暗く、押し潰されそうな、それ。
「…話さなくていいのなら、話さないでいたかった。だって、これは、私だけの問題で。陸にとっては、なんの関係もない。そんな話されたって。…でも。でも、理由も告げず、陸をこれ以上待たせる事は出来なくって。申し訳なくて。それで-」
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