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蕩けるようなキスをして
第39章 一日千秋
焦る陸の様子に、同級生達は爆笑する。
彼等のいいように玩具とされ、陸は悔しくて仕方ない。
そのまま黙ってればいいのに、反撃したものの-結局、まるっきり信用してもらえず。
喧嘩ならまだいい-陸は全てが嫌になり、大きな溜め息を漏らす。
その姿を目敏く目撃され、またしてもからかわれる羽目となる。
「あれだけ美人の彼女だからな。放っておくと、他の奴にすぐにやられるな。早いとこ仲直りした方がいいんじゃねーの」
「ああ、俺ちょっと実は狙ってたんだよな。今がチャンスか?」
許可もしてない内から、テーブルを挟んだ向かい側に座られ。
あまつさえ、きつめの冗談をふたりに放たれ、陸の片頬が不快に引き攣る。
「だから。喧嘩なんかしてねーし。学年も違うし、履修してる科目だって同じじゃない。いつも一緒って訳には-」
-言いつつ。
ほんとは、火曜日は、朝一からお互い講義が入っていて。
休み時間を挟んでの午後からも、びっしりと時間割が埋まってるのを知ってる。
だから。
昼食を採る為に、ここに来る可能性が無きにしも非(あら)ず-そう思って、スマホに夢中な振りをしつつ、さっきからずっと、辺りを伺 窺っているのだが。
今のところ、彼女がカフェテリアに足を踏み入れてる様子は-ない。
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