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蕩けるようなキスをして
第38章 告白
その男には、きっと、何もかもが敵わない-そう、思ってた。
会った事もない男に、滅茶苦茶、嫉妬してた。
何もかもが劣っているであろう自分が、情けなかった。
なのに。
「男のひとの部屋に来るのって、高校生以来振り?だから、この間初めてここに来た時は、正直凄く、緊張してた。びくびくしてた。まるで、陸を異様に警戒してるみたいな態度をとってしまって、誤解させてたと思う。ずっと、謝らなきゃって思ってた-」
-ごめんね。
彼女が自分の腕の中で、小さく笑う気配がした。
陸もまた、大きく誤解したままで、彼女を責めてしまっていた事を思い出す。
「…いや。俺の方こそ」
-ごめん。
陸は、呟く。
ううん-彼女が首を振る気配が、した。
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