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第38章 告白

愛おしさが募り、陸はそんな華夜子の額に唇を寄せる。
昔、彼女が愛した男に勝てるものなど何もないって、思ってた。
思い込んでた。
なのに。
どんな複雑な理由があったかは定かではないけれど。
実際は、こんな自分の方が勝（まさ）ってるものが沢山あって。
彼女と手を繋ぎ。
彼女とデートをしたのも。
彼女と食事に行ったのも。
彼女がこの部屋に来てくれたのも。
その全てが、自分とが初めてて。
その全てが、嬉しいと喜んでくれた。
頑なに話を聞くまいとしていた、少し前までの自分が、恥ずかしくなってしまう。
胸に寄せてくる限りない幸せに、陸はかつてない程に、満たされていた。
「…傍から見たら、恋人同士なんかじゃないような、そんな付き合いだったと思う。ただ、ひとつを除いては－」