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蕩けるようなキスをして
第38章 告白
「…指輪の彼とは、その、色々な事情があって、陸とふたりで当たり前のようにしている事が、殆ど出来ないような付き合いだった」
静かに華夜子が語り出し。
陸の彼女を抱く手に、力が入る。
「どこかに出掛けたり、ご飯を食べに行く事も。こうやって彼の家に遊びに行く事もなかった」
初めて聞く、彼女と自分の知らない男の話-頭に血が上り、もっと激しく、動揺するに違いないと思ってた。
でも。
実際の自分は。
それどころか、冷静過ぎるくらいだった。
自分でも信じられないくらい、穏やかに、彼女の話に耳を傾けている。
「だから。私、今、凄く楽しくって。陸と、色んな場所にふたりで行けて。色々な美味しいものを食べに行って。…それから、こうして、陸の家にいるのも」
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