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蕩けるようなキスをして
第38章 告白
彼女の良さを順に口にしてゆく中。
脳裏に突如浮かんだのが、何故か、彼女の興奮した時の声の大きさだったのだ。
長所かと問われれば正直?だったので、即答出来なくてある意味、当然だった。
「…とにかくっ。声のでけー女がいいんだよ。小さくて自信なさげな奴より、よっぽどいい。俺がどんな女を好きだろうが、自由だろ。文句あんのかよ?」
ばつの悪さを誤魔化すように、陸は少々乱暴に華夜子の腰を引き寄せた。
何度惑わされれば気が済むのか-驚いた彼女が思わず漏らした吐息に、陸は昂りを覚えてしまう。
「そーいう女が俺に相応しいんだよ。そーいう女が俺は好きなんだよ。そーいう女じゃなければ、俺はだめなんだよ-」
誰かに聞かせると言うよりは、独り言のような陸のそれを、華夜子は黙って受け止める。
「お前知らない?そーいう、すげーいい女」
魅惑的な低い声音で問われ。
それを合図のように。
華夜子は意を決して、彼の背中に右手を伸ばす。
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