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蕩けるようなキスをして
第38章 告白
「俺でいいだろ?」
耳元で、確かめるように、囁く。
「俺がいればいいだろ、華夜?」
どんなに優しくしたって。
どんなに宥めても。
どんなに。
どんなに-…。
欲しいたったひとことを、遂に、彼女に言わせる事が出来ない。
たったひとこと。
『うん』-そう、言って欲しいだけ。
そんな簡単な返事さえ貰えない-そんな自分は堪らなく、滑稽だった。
乾いた笑いを張り付けて、陸は華夜子と視線を合わせた。
「言ったろ?すげー大事にするって。どんな奴よりも、必ず華夜を一番に大切にしてみせるから。だから-」
-だから、俺でいいだろ?
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