パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第37章 欲しいもの

「この間だって、あれ以上の事はしなかった。それどころか、帰ろうって」
「…」
「だから今日だって。…少なくとも今日は、しない」
－陸は、そういうひと。
いつの間にか全幅の信頼を寄せられており、陸は戸惑いを隠せない。
「…なんだよ、それ」
今、この状況で、そんな最大の信頼を貰っても－非常に複雑な心境で、陸は溜め息を漏らす。
「するに決まってんだろ。押し倒して、ここまでしてるんだから、後は最後までやるだけだろ。すげーやりたいに決まってんだろ。こんな中途半端なまま、また今度って、そんな馬鹿な男がいるかよ」
「…陸」
即答され、陸は言葉に詰まる。
言い返せないでいると、華夜子の話が続く。
「力づくでする気なら、とっくにしてる。でも陸は絶対、そんな風にはしない。…キスだって、しないでいてくれてる」