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蕩けるようなキスをして
第37章 欲しいもの
根拠なんてない。
ただの勘。
でも、きっと。
きっと、限りなく、真実に近い-…。
驚きに目を見張る華夜子に、陸は正解を見出す。
「…俺を好きだと言うのも、嘘?」
言ってる側から、虚しさが襲う。
思いたくない。
思いたくないけれど。
陸のその言葉に、華夜子は即座に反応する。
「嘘じゃない」
華夜子の細い眉が、顰(ひそ)められる。
「みんな、嘘じゃない。…好きだよ、陸。ほんとに好き。信じて」
潤み出す、瞳。
陸は激しく、動揺してしまう。