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蕩けるようなキスをして
第37章 欲しいもの
その凄まじいまでに綺麗な面を歪めて、陸は嘲笑う。
フローリングに敷かれたラグの上へ、仰向けに倒された華夜子は、彼をこれ以上刺激せぬよう、ただ黙って見上げるしか出来ない。
華夜子の両手首の自由を奪い。
その両手を、彼女の顔の両脇に張り付けながら、陸は続ける。
「華夜。俺に待ってろだなんて、いつまで?いつまで待ってたら、華夜は俺のものになる訳?」
「…だから。もうちょっと」
-そう、言ったよね?
恐る恐る答えれば、陸の口角が僅かに上がる。
「その時なんて。その時なんて、ほんとはこないんじゃないの?」
「…!」
ずっと。
ずっと、ずっと。
本当は、ずっと、思ってた。
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