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蕩けるようなキスをして
第37章 欲しいもの
軽く掠めたかと思えば、突如として強く吸われ。
なんの未練もなさそうに、あっさり離れてゆく。
離れた後はなんの前触れもなく、首筋の至る所を流れるように、舌先に弄ばれる。
彼の、緩急つけた慣れた愛撫に、華夜子は踊らされ。
次々と押し寄せる快楽の波に、完全に支配される。
「ああ…っ」
華夜子は、ついに、鼻を抜けるような声を上げてしまう。
仰け反り、悦びを表現する華夜子の姿に満足し、唇はそこに留めたまま、陸は彼女に問い掛ける。
-知ってる、華夜?
回りの風景が、一転した。
気付けば、白い天井を見上げてた。
次いで、視界に入るのは、自らを見下ろす彼の勝ち誇ったかのような、笑った顔-。
「華夜の許しなんて、本当はいらないって。華夜の許可なんかなくっても、俺がその気になれば、華夜にどんな事だって出来るって事-」
-知ってた、華夜?
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