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蕩けるようなキスをして
第36章 待ち伏せ
「嫌がってるなんて一言も言ってねーだろ。勝手に決め付けんな」
留以が華夜子に追い付くより一瞬早く。
陸は彼女に並び、右手を取っていた。
「態度で十分、示してると思うけどね」
乃愛は嗤うが、華夜子の手を握り締めながら、陸はお構いなしに続ける。
「悪いけど、今日の華夜との約束、俺に譲って」
「え~?華夜子と先に約束したのは私達だよ?今日は女子同士で、食べ放題ランチに行くんだから。ねえ、留以?」
再びいきなり促され、留以は動揺を隠せない。
「あ、えっと…うん、そう、だね?」
二度目は、しどろもどろに、なってしまう。
そんな留以から攻めようと、陸は彼女に向き直る。
「華夜に大事な話があるんだ。お願い、ルイさん?」
陸に覗き込むように見詰められ、留以は平静でなどおれない。
「…あ、え、でも…はい」
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