パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第34章 彼の過去

なのに、どうして。
最後の最後で、自分はまた拒まれているのか。
自分は拒まれるのか。
何故、また、待ち続けなければならないのか。
どうして。
どうして－必死に考えて、思い当たる。
どうして－あるとすれば、原因は自分しかなかった。
「…やっぱり、まだ信用には値しない？俺を見極めるのに、まだ時間がかかりそう？」
嘲りが、漏れる。
「…まあ、そうだよな。乃愛との事、聞かされたすぐ後で、付き合って欲しいって言われても、即答なんか出来なくて当たり前か」
「陸、私－」
－そうじゃない。
華夜子は説明したかったが、今の陸には届かない。
「好きだってやっと言って貰えたのに。なかなかどうして、思い通りにはいかないもんだよな」