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蕩けるようなキスをして
第34章 彼の過去
『もう少し、待って』
『もう少しだけ、待っていて』
「俺、待ってるんだけど。華夜に言われた日から、ずっと、毎日、待っている。今日がその日かもって、毎朝すげー期待してる。今日こそは、華夜が言ってくれるんじゃないかって、すげーどきどきしながら、大学中、毎日華夜の姿を探してる」
「…」
「もう少しって、まだ?もう少しって、あとどれくらい?俺的には、もうそろそろいいんじゃないかとも思うんだけど」
「…」
「…今日も、もう少し?」
淋し気に笑われ、思わず華夜子は、口を開きかける。
その僅かに開いた華夜子の唇に、陸の指が触れた。
もう、待てない-陸は華夜子の桜色の唇をなぞりながら、うわ言のように囁いた。

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