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蕩けるようなキスをして
第34章 彼の過去
けれど陸には、どこ吹く風で。
「見たい奴には見せてやればいい」
端から全く、取り合ってもらえない。
「いや、あのさ。見たいんじゃなくて、嫌でも目についちゃうんだよ、こんな外で-」
華夜子は呆れ。
しかし、無駄だと思いつつも、一応彼に説明してみせる。
「俺の女に、俺がどこで何をしようが自由だろ。なんでいちいち、周りの許可が必要なんだよ」
最初から分かってはいたけれど、一笑に付され終了だった。
「だから、許可がどうとかこうとかでもなくって…そもそも私、まだ俺の女じゃないし」
消え入りそうな声音で付け足された、華夜子の最後の言葉に、陸の神経は再び、大いに逆撫でさせられる。
じゃあ、なればいいじゃん-陸の右手が、華夜子の顔へ触れる。
「じゃあ、今すぐなればいいだろ」
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