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蕩けるようなキスをして
第33章 抱擁
華夜子は、彼から目が離せない。
こんなにも近くにいる彼から、目を離す訳にはいかない。
何をするの。
何をされるの。
何もしないと、ほんとは心の底では信用してるけど。
でも。
でも、万が一。
ちょっと目を離した隙に、もしも、何かをされたら。
何かって、何?
そう思うと。
不安で。
心配で。
瞬きもせずに、彼を見続けているしかない-。
華夜子の瞳に宿る、激しく狼狽える、それ。
陸は彼女の心の内を十分に感じ取りながら、その顔に薄い笑いを張り付けた。
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