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蕩けるようなキスをして
第33章 抱擁
荒い、呼吸。
自らを責めてくる、彼の囁き。
酷く興奮している陸を、どうやって宥めたらいいのか分からず、華夜子はとりあえず否定語を並び立てる。
「…待たせてなんかない。焦らしてもない。私、返事をしようとしてた。なのに、陸が-」
-私を、また、掴まえてしまったんじゃないの。
彼と触れ合っている額は熱を帯び、それはやがて全身にじわじわと広がってゆく。
陸が言葉を発する度にかかる吐息は、華夜子を刺激し、更に身体中を熱くさせ、堪らなくさせる。
彼に侵され、華夜子の意識は微熱に包まれたかのように、曖昧になってきていた。
-なら、言えよ。
「勿体ぶらずに、言えよ。華夜-」
陸は華夜子を急かす。
頭をわざわざ押さえ付けられるまでもなく。
いつの間にか無意識の内に、華夜子は自分自身の意思で、陸の額に自らのそれを預けていた。
それに気付いた陸の手は下降を始め、彼女の耳へ届いた。
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