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蕩けるようなキスをして
第33章 抱擁
「…言ってない」
「華夜?」
「私、帰りたいだなんて言ってない」
再び、俯かれる。
その姿は不安定で、儚げだったけれど。
彼女が紡ぐその言葉だけは、確かだった。
陸は絶句する。
「…帰りたいと思ってない。そう、聞こえるんだけど」
遠慮がちに、陸は華夜子に、問う。
幻聴なんだろうか-頭の片隅で思いながら。
「帰らなくて…いいの?」
「…うん」
「ここにいたいって。俺といたいって。…俺は、自分に都合がいいように解釈しようとしてる」
-それで、いいの。
-それで、正解?
「華夜?」
「私、帰りたいだなんて言ってない」
再び、俯かれる。
その姿は不安定で、儚げだったけれど。
彼女が紡ぐその言葉だけは、確かだった。
陸は絶句する。
「…帰りたいと思ってない。そう、聞こえるんだけど」
遠慮がちに、陸は華夜子に、問う。
幻聴なんだろうか-頭の片隅で思いながら。
「帰らなくて…いいの?」
「…うん」
「ここにいたいって。俺といたいって。…俺は、自分に都合がいいように解釈しようとしてる」
-それで、いいの。
-それで、正解?

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