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蕩けるようなキスをして
第33章 抱擁
そして、先程の問いをもう一度。
「今日は、もう帰ろう。送ってく」
「陸…?」
「元々、無理矢理連れて来たようなもんだったし。…ごめんね、華夜」
陸は、彼女の左手を取る。
いつの間にか。
ふたりの時には。
移動の度毎に、繋ぐようになっていた、手と手。
当たり前のように。
必然のように。
この時も、然りだった。
そのまま、テーブルの上の鍵を取ろうとしたのだが-動けず、手が、届かない。
「…華夜?」
依然。
その場に佇む華夜子に、陸は不審そうに声を掛ける。
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