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蕩けるようなキスをして
第4章 謝罪
「もう、しない。だから許してよ、華夜子」
謝られ。
名前を呼ばれ。
二重の驚きに、華夜子の涙は零れ落ちるのを忘れてしまう。
「…ここに連れて来たのだって、謝りたかったから。嫌がらせをしようと思ってなんかじゃない」
何に、謝る-?
「…昨日は。昨日も、ふざけ過ぎた。蹴りたいぐらい華夜子が嫌な思いをしていた。蹴られるくらい華夜子に嫌な思いをさせていた。…蹴られて、初めて気付いた」
「…」
「もう、しない。だから笑ってよ、華夜子」
陸は、華夜子の言葉を待つ。
陸は、華夜子の笑顔を待つ。
彼女の髪を撫でる手が、止まる。
様子を伺う陸の気配を感じながら、華夜子は迷いながらも、開口した。
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